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憲法審査会

安倍総理が誕生してから、今まで以上に憲法改正問題がクローズアップされている様な気がします。
総理の時々の発言でも取り上げられている事もありますが、
やはり、このところの日本を取り巻く国際情勢も関係して国民世論が変化して来たと思います。
私は憲法審査会の委員として 一月からはじまった通常国会で、
前文に始まり第一章から議論に加わっています。
5月9日の審査会はマスコミで最近、
特に話題になっている第9章の憲法96条の規定についての議論が行われました。
96条は憲法改正に関する条文ですが、論点としては憲法改正の限界、
改正手続き要件の緩和、発案権の所在、国民投票の期日等です。
特に憲法改正の発議については、第96条 この憲法の改正は、
各議員の総議員の三分二位上の賛成で、国会が、これを発議し、
国民に提案してその承認を経なければならないと規定されています。
今回このなかの三分の二位上の賛成についてハードルが高すぎるので、
二分の一に要件を緩和すべきとの意見が多数述べられました。
私は現実的考えに立てば、要件を緩和することで、
より国民が投票をする機会が広がると思います。
それにより、国民の考えや思いも反映された憲法になっていくと期待したいのです。

3月の憲法審査会で私は新しい憲法をとして環境権を加える意見表明をしました。
発言を以下に載せますのでご意見を、お待ちしています。

環境権

「環境権」は、1970年3月、公害国際会議の東京宣言に始まり
「良い環境を享受し、環境を汚すものを排除できる基本的な権利」として提唱されました。
「環境権」は、人格権(憲法13条)説と生存権(憲法25条)説とが提案されていますが、
こうした根拠規定の相違は、「環境権」の定義が未だないことを物語っています。
結果として「環境権」は「より良い住環境を請求する権利」としか定義できません。
環境権(かんきょうけん)とは、新しい人権の一つで、
良好な環境の中で生活を営む権利のことを指していることは広く知られているところです。
憲法の「幸福追求権」を根拠に主張され、学説としての地位は確立されているものの、
地球温暖化や国際社会における日本の地位などを考えた時に、
国民一人一人が、高度経済成長期の急激な工業化や開発により、
河川や大気などの環境が急速に破壊された経験を元に、
同じように地球温暖化問題に取り組めるかどうかの帰路に立っていると思います。
1960年代からの、反公害運動が政治的課題であったように、
1967年に成立した「公害対策基本法」
1993年に、それを引き継ぐ形で施行された「環境基本法」の次の課題として、
環境権の概念が盛り込まれた日本国憲法の条文の必要性を国民的な議論にしていくべきと考えています。
この改正論議の焦点は、憲法第9条の問題と同じくらい重要で、
是非この「環境権」の位置づけをしていくべきであると考えています。